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第100話 王立劇場

Auteur: 甘梨鈴
last update Date de publication: 2026-01-23 17:00:39

「まだ足りませんよ。我が国の皇后や皇太子妃は、一度身に着けた装飾品を、二度着けることはありません。高位貴族もそうです」

「そうなんですか!?」

 初めて聞いたが、すごく贅沢な話である。

 ランダリエ王国の王妃や王太子妃は、代々受け継がれてきた宝石を大事にするため、重要な式典や公務では、所有している最高級の装飾品を使い回すのが慣例だ。

「レディー。ランダリエの貴族でも、常に新しい装飾品を身につけている方をお見かけしますよ」

 ルシアンの言葉に、ナタリナも頷いた。

「お嬢様。殿方からの贈り物は、受け取るのが礼儀ですよ」

「あっ……」

 昨日も、同じことを言われたのだ。

 反対する言葉が思いつかず、エマはためらいながらも頷く。

(もうネックレスを頂いているのに……いいのかなぁ)

 首元を飾るピンクサファイアのネックレスも、ブローチも、素敵すぎてうっとりするけど、エマにはあまりに過ぎた
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  • 神殿育ちの嫌われΩは、隣国の伯爵αに蕩ける愛を刻まれる   第224話 おねだり

     そんな考えが浮かび、エマは口に含んだルシアン自身にしゃぶりついた。 「ッ……エマっ」  名を呼ばれ、ちらりと顔を上げる。  ルシアンは熱い吐息を漏らし、目をすがめて気持ちよさそうな顔をしている。 (ぁっ……感じてくれてる?)  嬉しくなって、エマは先端をぺろりと舐めた。 「くッ……エマ、駄目ですっ」 「んっ、ゃぁっ」  グイッと髪を掴まれ、ルシアンの雄から引き離される。 「ゃ……どうして?」  エマはうるっと涙を浮かべる。  ルシアンも感じてくれてると思ったのに。 「エマ……体勢を変えましょう」 「?」  よく分からないけど、ルシアンがエマの腕を掴み、体を引き上げる。そのまま、くるっと向きを変えられ、後ろ向きにルシアンをまたぐ体勢になった。 「ぁ……」  エマの目の前には、ルシアンの雄が立派にそそり立っている。  待ちきれずに、またパクッと雄を咥えた。 「んっ……ぁんっ、っ、んむっ」  さっきと向きが違うけど、それも気にならない。  先走りをもらす熱棒を夢中で舐めていると、ふいに下半身に衝撃が走った。 「ひゃぁっ……ぁ、あぁぁっ!」  エマの昂ぶりを、ルシアンが咥えたのだ。  舌でべろりと舐められ、ビクンッと躰が跳ねる。 「やぁっ、ぁぁんっ、ルシアン、さまぁっ」  思わずルシアンの雄を口から離してしまう。 (ぁっ……ルシアン様のがっ)  まだ口に咥えようとするけど、ルシアンの愛撫が気持ちよくて、力が入らない。 「熱ぃ……ぁぁっ、気持ちいいっ……ぁ、あぁぁんっ」 「あぁ。ここも、悦んでますね」  ルシアンの声とともに、蕾に指が二本入ってきた。 「ひゃぁぁぁんっ! ァァッ、……あぁぁっ!」  昂ぶりを口で愛撫されながら、蕾を弄られる。  グチュグチュとイヤらしい音が響き、蕾はルシアンの指をきゅうっと締めつける。それに応えるように

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     グチュグチュと響く水音も、いまはエマの快感を押し上げるだけだ。 (ぁぁ……気持ちいいっ……指、もっと奥に……っ)  ルシアンの前で、はしたなく嬌声を上げ、腰を振る。  乱れるエマを前に、ルシアンはその昂ぶりを口に含んだ。 「ひゃぁん! ぁんッ、ぃやぁぁっ、んぁぁっ!」  ルシアンの熱い口内に包まれ、舌で舐められると、もう我慢できない。 「ァァッ、やめっ、……気持ちっ……ぁ、ぃ、イク……っ!」  昂ぶりと蕾を同時に責められ、すぐにイってしまった。  それなのに、絶頂の余韻に浸る間もなく、ルシアンは指を増やした。 「ひゃぁぁっ! ぁっ、やぁぁんっ!」 「っ……我慢せず、イっていいのですよ」 「ぁぁんっ……ァァッ、はぁっ……ひゃぁっ!」  連続でイかされ、ビクビクと躰が跳ねる。  さらには、達したばかりの昂ぶりにねっとりと舌を這わせ、また絶頂へ追い上げる。 「ひゃぁぁんっ! あぁぁっ!」  もう脚を支えることもできず、エマはルシアンの髪を掴んで、かぶりを振った。 「やぁぁんっ、る、ルシアン、さまぁっ」 「ん……」 「はぁぁんっ」 (だめぇっ……気持ちよすぎるよぉっ!)  エマは涙をこぼしながら、快楽に啼く。  そうして昂ぶりと蕾をたっぷり愛撫されたエマは、すっかり発情していた。  腰がズクズクと疼き、躰がひどく熱い。額から汗を流し、首筋にも、お腹にも、全身に汗の粒が光る。  昂ぶりからは蜜があふれ、弄られた蕾はゆるみ、無意識にフェロモンを放っている。 (ぁぁ……もっと、イきたいっ) 「ぁ、熱いっ……んっ」  心も躰も、快楽に溺れてしまいそうだ。  早く満たされたいと、それだけで頭がいっぱいになる。 「エマ、可愛いですね」  ルシアンが、エマの頬を撫でる。  エマはその仕草にさえ、うっとりと目を細めて、ルシアンに甘えた。 「る、ルシアンさま……もっと…

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    「エマ……ベッドへ」 「はい」  ルシアンに促されて、ベッドに座る。  その隣にルシアンが腰掛け、エマの腰を抱き寄せた。 「ぁっ、……ルシアン様?」 「エマ」  宝石のような赤い瞳が、煌めいていた。  銀の髪も、灯りにきらきらと浮かび上がる。 (あぁ……なんて美しいんだろう)  端麗な顔立ちに、甘やかな眼差し。  初めて会ったときから、惹かれてやまなかったアルファ。 (この方が、本当に僕のものになるの?)  エマは夢見心地でルシアンを見つめる。  ずっと願っていた幸せは、突然すぎて、まだ信じられない気持ちだ。  そんなエマの想いをくみ取るように、ルシアンが甘い声で囁く。 「私の、可愛いエマ」  そして、また唇が重なった。  今度はエマの唇を開くように、舌が入ってくる。 「んっ……ぁ、ぁぁっ」  ルシアンの舌が、エマの舌先に触れる。  ビクッと震えると、優しく舐められた。 「あぁっ、ァ、……ぁんっ」 (こんなキス、初めて……)  唇に触れるだけでなく、舌まで絡ませるようなキスは、初めてだった。  ルシアンの舌が巧みに動いて、エマの口を貪っていく。 「んぅ……ぁ、ぁぁっ」  口の中を味わうように、舌の裏まで舐められ、上顎をくすぐられる。  歯茎をなぞられ、角度を変えて、奥まで探ろうとしてきた。 「はぁんっ……んぁっ、ァァ……んんぅっ」  口端から唾液があふれて落ちる。  クチュクチュと音が響き、ルシアンの息づかいを直に感じて、胸がドキドキした。 (あぁ……これが、恋人のキスなの?)  触れるだけのキスと違って、なんて激しくて甘いのだろう。  だけど、懐かしさも感じていた。  いつだったか、ルシアンに愛される夢を見たことがある。 (あの夢が、現実になったんだ)  そう思うと嬉しくて、胸が高鳴った。

  • 神殿育ちの嫌われΩは、隣国の伯爵αに蕩ける愛を刻まれる   第221話 熱烈な求婚

    「本当にっ……自由に、なったのですね」  声が震え、ぽろぽろと涙がこぼれ落ちる。  こんな未来が訪れるなんて、夢にも思わなかった。  嬉しくて、胸がいっぱいで、涙が止まらない。  差し出されたルシアンのハンカチを受け取り、エマは何度も瞬きをしながら涙を拭った。 「エマ。貴方に、この場で伝えたいことがあります」 「……はい」  顔を上げると、ルシアンが一歩前に出て、静かにエマの前へ跪いた。 「ぇ……ルシアン様?」  戸惑うエマの左手を取り、その甲へ、口づけが落とされる。  熱が一気に頬へ集まり、エマの心臓は早鐘を打った。  見上げてくる赤い瞳は、いつもよりもずっと真剣で、揺るぎない。 「エマ……初めてお会いした日から、貴方に惹かれていました」  ルシアンの澄んだ声が、甘く耳に響いた。 「可憐な花のように美しい貴方は、とても魅力的で、もっと近づきたいと思ったのです」 「ルシアン様……っ」 「貴方には婚約者がいたため、想いを告げることも出来ず……胸の内に秘めるしかありませんでした」 「っ……」 「ですが、思いがけず機会がめぐり……私の功績が認められ、皇太子殿下のお許しを頂くことができたのです」  とうとうと語られる言葉は、ルシアンの片思いを告白するものだ。  それは、王太子や皇太子の前で語るための言葉だった。  ルシアンがエマを欲する余り、手柄を立てたのだという筋書きで、二人の間には、何もなかったのだと示すためのもの。  けれどエマは、ルシアンの好意を知っていた。  初めのうちは、本気だと信じられなかったけど。 (でも、何度も、ルシアン様に愛でられて……)  エマは、愛される喜びを知った。  それでも、最後の一線を越えたことはない。  エマはルシアンの意図を察して、微笑んだ。 「エマ。貴方を愛しています。これから先も、何があろうと、貴方を守り続けると誓います」  ルシアン

  • 神殿育ちの嫌われΩは、隣国の伯爵αに蕩ける愛を刻まれる   第220話 ルシアンへの褒美

     後見権。それは、聖樹を管理し、処遇を決定する権限だ。  言い換えれば、聖樹の所有権である。 (そ、そんな……っ)  エマは体を震わせた。  ランダリエ王家が持つエマの所有権を、皇太子に渡すと言うのだ。 (やだっ……せっかく、王子から自由になれたのにっ!)  顔を強ばらせるエマに、王太子が柔らかな眼差しを向ける。 「心配せずともよい。エマヌエーレ」 「ぇ……?」  問い返すよりも早く、皇太子がクロエから受け取った書面を読み上げた。 「聖樹エマヌエーレの後見権を、皇太子ティエリーが譲り受ける。以後、エマヌエーレの処遇と保護は、すべて新たな後見人の責任において行うものとする」  すでに署名と印章が入った書類が、中央の台へと置かれる。  エマは、反射的に一歩後ずさった。  すると、そっと後ろから抱きしめられる。 「大丈夫です、エマ」 「ルシアン様……?」  振り返ると、赤い瞳がまっすぐにこちらを見つめていた。  迷いのない、静かな眼差しだった。  その手の温かさに、こわばっていた体から、少しずつ力が抜けていく。 (……大丈夫、なんだよね?)  彼が、エマを傷つけるはずがない。  エマは唇を噛みしめ、成り行きを見守ることにした。 「さて」  皇太子が楽しげに声を弾ませる。 「此度の王家審問において、最も力を尽くした我が部下を、ここで称えるとしよう」  その視線が、まっすぐにルシアンへ向けられた。 「ルシアン・デイモンド伯」 「はい、ティエリー殿下」 「褒美を与える。聖樹エマヌエーレを、貴殿に下賜(かし)する」 「……えっ?」  エマは息を呑み、思わずルシアンを見上げた。 (僕が……ルシアン様のものに?)  ずっと、願っていたことだった。  けれど、あまりにも突然で、喜びよりも驚きで狼狽える。 「エマ」  ルシアンが

  • 神殿育ちの嫌われΩは、隣国の伯爵αに蕩ける愛を刻まれる   第219話 秘匿の条件

    「っ……大聖花様も、どうかお健やかにお過ごしください。幼き頃より、今日まで見守ってくださったこと、心より感謝いたします……女神イーリスのご加護がありますように」  エマの眦から、涙がぽろっとこぼれ落ちる。 (大好きだった。いつも、優しくて、温かくて)  イーリス大神殿で過ごした日々のことが、頭を駆け巡る。  聖樹を平等に慈しみ、愛してくださった方だ。幼いエマが神殿に馴染むまで、優しく寄り添ってくれた。十年間、ずっと温かく見守ってくださった。  その恩は、一生忘れない。  大聖花は、瞳を潤ませながら、深く一礼する。  そして、控えていた神官とともに、静かに退出した。 気がつくと、その場に残っていたのは、四人だけになっていた。  エマの他には、ナタリナ、ルシアン、王太子だ。 「エマヌエーレ。こちらへ」 「はい」  王太子に呼ばれ、エマは中央の台へと進む。  背後にはナタリナが控え、隣にはルシアンが並んでくれていた。その存在が、心強い。  と、そのときだった。 「やっと終わったな。待ちくたびれたぞ」  聞き覚えのある声に、エマはハッとして振り返る。  そこに立っていたのは、帝国の皇太子、ティエリーだった。  紫色を基調とした簡素なジャケットに、藍色のマント。そこには皇族を象徴する獅子の紋章があしらわれている。 「こ、皇太子殿下っ!?」  エマは慌てて、両手を胸の前で重ねて、軽く膝を折った。ナタリナもそれに倣う。  動揺しながらも、なんとか挨拶をした。 「帝国の若き太陽、皇太子殿下にご挨拶いたします」 「うむ。そうかしこまらずとも良い」  以前に天耀宮で会ったときと変わらない、気安い口調だった。 (どうして、皇太子殿下がここに?)  戸惑うエマの耳元で、ルシアンが小声で囁く。 「ティエリー様は、二階席で傍聴されていました」 「えっ?」  思

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